// まぼろし色の・・・     

  
  




     神秘を秘めた
   この色を
   どんな色と言いましょう


   
まぼろし色と言いましょう


   
目をそらしたら
   消えている
   まぼろし色と言いましょう


   救いはきみ


   きみがそこにいてくれるから
   ああ
   わたしもここに

   ここに .. いて .. いいのね  
   

   雨上がりのうららかな午後

   まぼろし色の 


   まぼろし色の 君としゃくなげ
                 




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// 紅い花を散らしては・・・






・・・ 紅い花を散らしては ・・・




花を摘むのはだぁ~れ

純白の花を摘んではだめ
青い花を摘んではだめ


紅い花を散らしてはだめ
紅い花を散らしてはだめ


思わせぶりな眼差しの
絹の衣のヴィーナスたちが


誘っては惑わせ
誘っては惑わせ


月の彼方に隠れるの





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// はかな言葉の・・・     





・・・ はかな言葉の野原にて ・・・




はかな言葉を口ずさみ

消えゆく夕日を追いました

茜 茜は 罪茜色

茜 茜は ゆきずりの色



はかな言葉を口ずさみ

暮れゆく野原に散りました

茜 茜は 露茜色

茜 茜は かりそめの色 







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// 散る桜の木の下で・・・

  
    

  



   散る桜の木の下で・・・ 




  内気なその女 ひと が恋をしたのは
  二十才のときでした


  文学が好きなその青年は

  桜をとても愛していました

  ふたりはいつも

  城跡のある町の桜の木の下で会いました

  生まれてはじめての幸せな恋でした

  地味な着物でそっと逢いにゆく恋でした

  二年の月日が流れたころ

  別れは突然やってきました
  戦地に赴く青年を涙で
遠くから見送りました



  待っても待っても便りは届きませんでした
  南の島の激戦で散っていったと

  風の便りに聞きました

  あの桜の下でまた会う固い約束

  何度の春を数えたことでしょう

  白い髪のおばあさんが
  城跡の陽だまりで
  誰かとお話しながら

  散る桜の花びらを数えている


    と・・・


               
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// 桜 咲 く 罪

  
  


  桜 咲 く 罪  


  桜咲く罪 罪が舞う
 
  桜咲く罪 罪が降る


  彷徨う女は罪の色 さすらう男と罪な夜
  ふたり並んで罪に酔う 三日三晩罪に酔う


  桜咲く罪 罪が舞う
  桜咲く罪 罪が降る

  桜 
いろ は 現 うつつ か まぼろしか
  神よこの罪 許し給え 
   

  散りゆく桜は罪の色 
  妖しき一夜
ひとよ を 罪が舞う

  散りゆく桜に身を委ね 
ふたりは並んで目を閉じる
  桜咲く罪 罪の色 現世を染めて罪が舞う

  あなたと私の罪の色 

  今宵 織りなす 罪な夜

  桜は 現か まぼろしか 神よこの罪 許し給え

  あなたと私の罪の色 今宵 織りなす 罪な夜
  桜色は 現か まぼろしか 神よこの罪 許し給え



                        ページトップへ


// 桜 (さくらまい) 舞




   さくらまい    



かすみか 雲か 匂いぞ いずる

ああ さくら さくら

桜 
さくらまい 舞

熱き胸 躍らせて 恋人 あなた の もとへ

ひととき 夢の中


ひとひら 恋 ひらら

少女の髪に 舞い降りる



目覚めて流る ひとすじ涙

ひととき 夢の中

ひとひら 恋 ひらら

舞い散る 舞い散る 黒髪に はらり




この恋は美しすぎて はかない恋と知ってか 桜

この恋は美しすぎて 危うい恋と知ってか 桜

さくら さくら 桜 舞



時よ 止まって

静かに 止まって

このまま このまま 夢に酔わせて



ほの よ 永遠 とわ に 永遠に

祈り 祈りつ くちづける



ああ さくら さくら 舞い散る 舞い散る

桜  
さくらまい 舞






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// マリオネット・ルゥ






・・・ マ リ オ ネ ッ ト ル ゥ ・・・



音楽が鳴りやまないの

目を覚ますと木箱の中は涙の海


音楽が鳴りやまないの

あぁ また聴こえる ヴァイオリンの音色

黒靴の足音が

近づいて

近づいて

拍手の中でわたしわたし


笑顔のルゥになるの





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// 叶うなら・・・





・・・ 叶 う な ら ・・・




叶うなら

石の棲み家に

身を潜む

うすきすみれの二輪になりたい








// 哀愁少年





.....  哀 愁 melancholy 少 年  .....





 遊べぬ少年(こ)


月に衣を脱ぎましょう


月の淵から涙がこぼれ青白い頬つたう夜は

君がいちばん清い夜

哀しいほどに美しい心の水音聴きましょう


遊べぬ少年

月に衣を脱ぎましょう

月に鎧を脱ぎましょう




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// 白き蝶々の はらり 舞う






 水 千 草 すいちぐさ 作 品 集 よ り 





・・・ 永 遠 の ・・・



永遠の

深きを秘めてすじ雲の 彼方の青よ 青よ 青よ







・・・ 木 洩 れ 陽 は ・・・



木洩れ陽は

無限の空よりこぼれ落ち 白き蝶々のはらり舞う



・・・ 早 春 の ・・・



早春の

木立は浅くまどろみて 秘めし色香に風のささやき



・・・ 鳥 た ち を ・・・



鳥たちを

深みにやさしく迎え入れ 夕むらさきに染まりゆく森



・・・ 宵 待 ち て ・・・



宵待ちて

絹 深々と染まりゆく 君 オリエントの風なびかせて



・・・ ア ジ ア 遊 風 ・・・



まっすぐな

黒い瞳を持つ人の 住む郷いずこ アジア遊風

 




・・・ 雅 夜 に ・・・
みやびよに



夜 に
                    
縄文の君照らす月 

今 東
やま の 端 に 昇りくる神秘



・・・ 疼 く 胸 ・・・


幻 花 一 輪

狂 花 一 輪


疼 く 胸















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・・・ 幾 ・ 千 ・ 無 ・ 限 ・ 不 ・ 思 ・ 議 ・織 ・ り ・・・




わたしを包む繭の色

幾千無限の赤がある

幾千無限の青がある
幾千無限を紡ぎつつ 幾千無限の不思議織り




わたしを包む繭の色

幾千無限の雨の色

幾千無限の風の色
幾千無限を紡ぎつつ 幾千無限の不思議織り




わたしを包む繭の色

幾千無限の虹の色

幾千無限の夕焼けの色
幾千無限を紡ぎつつ 幾千無限の不思議織り



ほぐしほぐし紡ぎます
パタンパタンと 織る わたし色







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